表現の領域
個人制作の利点として表現性を担保できる点がありますが、ゲームにおける要素の全てが表現に関わるわけではありません。かけるべき時間や情熱を明後日の方向に向けていては夢物語の完成は程遠いものになってしまいます。
私は自作せずとも用意できるものがあれば、積極的に活用すべきだと考えています。そこでそれぞれの要素が表現領域と非表現領域のどちらに含まれるか明確に判断する必要があります。これを示したのが以下の表になります。
非表現領域に含まれる、自作しない要素の共通点は以下の点です。
・誰が作成してもほとんど同様のものができる
・他の方への意図を正しく伝え、明確にコントロールできる
例えば木材のテクスチャや火のエフェクトは、誰もが持つイメージを超えることはないでしょう。もちろんクォリティーに差はありますが、それが表現性を左右するとは考えにくいと思います。
また作曲においてリバーブやディレイ、コンプを一から作る技術が求められているわけではありませんし、瞬間的な利用が多く、情報量の少ないビルボードも多くの場合で代用が利きます。
上記の表以外の要素についても同様の定義で区別するわけですが、この線引きには例外もあります。オブジェクトに表現性が常に存在するとは限りませんし、テクスチャがキャラクターを形作ることは十分に考えられます。
システムはスクリプトとして私自身が書いていますが、汎用的なメソッドについては自作の必要はないと思っています。極論を言えばプログラミング言語のライブラリを私が設計したからといってゲームの価値を高めることができるとは思えません。
また表現性だけではなく、娯楽性の観点で見た時に例外を生む可能性も決して否定できません。
このように自作すべきかどうかの線引きが明確に引けるわけではない以上、理想的には自作できる範囲を拡張していくべきだと思っています。ただし習得に時間がかかるものも多いため、これは未来に向けての話になります。